カルチャースクールで先生が新しく出した本のことを
嬉しそうにお話しされました。そして
二次流通で本が売れても著者にはお金は入りません。
だからできるだけ本屋さんで買ってほしいのです。とおっしゃいました。
うなずきながら、内心驚いてしまいます。
本を出せば売れるものと思っていることに。無邪気すぎます。
売れていなくても店頭からなくなることはあるのです。
学生時代、少しだけ本屋さんでバイトをしました。
レジ、掃除、雑誌の付録の綴じ込み、コミックスのビニールがけなど
単純作業に近いのですが本が好きなので退屈しませんでした。
シフトが毎日ではなく、業務の全容がわかる前にやめましたが
本屋さんの大変さはわかりました。
漫画雑誌は軽いので、両手で持ってアゴで押さえながら運んでいました。
連日とても多くの本が入荷するので
在庫のバランスを考えながら平台に置いたり、スタンドに立てたり、こまめに動かします。
雑誌の場合、発行日に新刊を並べるのに合わせて
前の号はバックヤードに撤収します。並べたもの全ては売れません。
返品です。
単行本も箱単位で入荷します。毎週かなりの頻度で入ってきます。
そのため、同じくらいの量の本を返品します。
戻す本を選んで箱詰めして発送し、お店全体の量を調整しているようでした。
発行=売れる。ではない現実を知りました。
下手なりにブックカバーを用意(線が何本もついたり、妙なカーブを描いたり)して、
おしゃべりしながら店番をして。休憩時間はもちろん本を読んで。
レジを打ったり、本の場所を聞かれたりはしましたが
どちらかというとのんびりしたお店でした。
楽しいバイトでした。