d_ocha-kai’s diary

お茶やお菓子と本のことなど。

もっと光を:映画『国宝』の感想

昨年から話題の映画『国宝』をやっと観に行きました。

上映時間が3時間くらいありましたが

流れるようなストーリーで長さは感じませんでした。

 

海外の方にも届きやすい「日本らしさ」がちりばめられていると思いました。

 

歌舞伎の場面では、実物の舞台の方が圧倒的に迫力があると思います。

幕が上がる前、内側から聞こえるお囃子、客席のざわめき、後方からの掛け声。

目の前で打たれる力強い「柝」の音、音楽や幕を引く方との駆け引き。

役者さんが通ったときのお香の匂い。

 

道成寺』では「この速さで弾き続けるなんて」と音楽に拍手をし、

手ぬぐいが撒かれて(必ずなのかはわかりませんが)、盛り上がります。

客席との一体感も面白みなのです。

 

映画のシーンは舞台上の人数も少なくて寂しすぎると思いました。

もっとにぎにぎしくて、悪ふざけがあって、何より舞台上が輝いています。

役にぶつかる素晴らしい役者魂は見せていただきましたが、その上での「イキ」が

現実の歌舞伎にはあるように思いました。

そして、光が強いだけ影も濃いように思います。

筋書きでの写真の大きさ・役の大きさがいつの間にか逆転していたり・・・。

それを含めて歌舞伎は面白いものです。

 

撮影に国立劇場が使われていました。

車で乗り付けたのは楽屋口ではないかと思います。古典を含む芸能に親しめる劇場として

再開して欲しいものです。

 

今年もよろしくお願いします

2026年の1月に入って23日というのに、実はまだ昨年のことがまとめられていません。

お茶関係で行った大阪や京都・静岡のこと、購入した茶葉のリスト、その茶葉を選んだ理由、受講したセミナー、グッズなど。ここに書くことで記録にしたいのですが。

 

 

赤坂ミッドタウンのサントリー美術館に「玄鳥庵」というお茶室があり、

お茶をいただけることは以前から知っていました。今年は偶然、その開催日に伺い、

お茶をいただくことができました。結び柳などお正月らしいしつらいです。

お菓子は花びら餅でした。

ふっくら、そして赤みがやや強くかわいいと思いました。とてもおいしかったです。

 

その幸せ感のまま、同じビル内のとらやさんでお雑煮をいただきました。

蓋をとると、酒粕のような香りがしました。お味噌の風味が強いのだと思います。

具はそれぞれ、別々に調理されているような濁りのなさ。丸いお餅が美味しいのです。

おいしさに感動して、店内で販売されていたお汁粉も購入。

御膳汁粉、小倉汁粉、白小倉汁粉と3種をコンプリートしました。

 

富士フイルムで展示されていた、玉三郎さんの写真を拝見して帰りました。

 

一座混乱

ある日、お茶室でお茶をいただく機会がありました。

お稽古をやめて随分と時間がたっていますので、

忘れていることの方が多いかもしれませんが、なんとかなるものと思っていました。

若い女性と50代らしき男性とわたくしの3人が、この日のために集まりました。

 

露地草履をはいて歴史のあるお茶室に向かい、にじり口から入りました。

ずっと以前、草履の揃え方を教わったことがあったのですが思い出せません。

そのあたりからどんどんあやふやになっていきます。

柄杓を置くのを合図に揃って一礼し、テンションが上がります。

まさに一座建立と感慨深いものがありました。

ですが薄茶をいただいた後にお茶碗を回す方向すらあやしくなっていました。

 

お茶碗の拝見の頃になると各人が好きなように動き出し、

厳粛な雰囲気とは違ったものになりましたが、亭主の方のおおらかさに助けられて忘れ難い経験になりました。

絶対に内心ヒヤヒヤしていたと思います。

口ほどには貢献できず、失礼いたしました。

 

 

 

宇治に行ってきました

宇治といえば平等院

HPによると1052年に藤原頼通によって開かれたそうです。

お天気がよかったので、ここを理想の地にしようと考えた人の気持ちが伝わりました。

券売機で入場し、時間制のチケットを購入して団体で鳳凰堂を拝観。インバウンド率高めのようです。下の写真の中央の限られた部分だけの拝観でしたが、阿弥陀如来様や飛天、描かれた絵や柱などから荘厳な歴史を感じられました。

 

お茶を扱うお店が本当にたくさんあって、駅から平等院に向かう道もお茶ロードでした。

そして、どのお店もお客さんが途切れません。買い物カゴにどんどん品物を入れていきます。気持ちいいほどです。

 

お店に入ってパフェをいただきました。テーブル上の案内に宇治茶が紹介されています。2軒ほど回って宇治でのお茶のことがわかってきました。

上林記念館では江戸時代からのお茶の生産からお茶壺道中までの様子が展示されており、道具類もとても充実していました。そして、1階にいけられていたお花が印象的でした。

 

駅前のポストもお茶壺のかたち。ご当地消印だと嬉しいですね。

 

こんなにお茶製品があるのだから京都駅でも買えるかな、と京都駅に向かいました。

移動する時に荷物が多くなるのを警戒したのですが、京都駅では思ったほどのバリエーションがありませんでした。茶そばは買って帰りたかったのですが。

 

京都駅のお弁当売り場では有名料亭の高級なお弁当が並んでいました。せっかくだから高級路線と思いましたが、目の前で売り切れて行きました。迷いなく手を伸ばす、慣れた様子のたサラリーマンの方の姿に焦りを覚えます。

自分は迷いすぎました。気がつくと見慣れたラインナップになっています。もっと早い時間では違う品揃えだったのに決断力がなさすぎます。面倒でも改札を一度出て駅ビルに向かったほうが選択肢が多かったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

記憶に残った言葉(シャネル展 III )

展示の後半で、新たにパンフレットを渡されました。

「LESAGE  刺繍とテキスタイル100年の物語」とあります

後半は、ルサージュというアトリエの展示だったようです。

 

10日ほどしてから、その会場で目にした言葉が

ふと頭に浮かびました。

 

「刺繍をするには、生地の地直しがとても大切」

 

 

 

生地の目がまっすぐでなければ、刺繍を載せても美しい仕上がりにはなりません。

もちろん、その時のノリや気分の高揚で作ることも大切だと思ますし、

作る人のキャラクターはどうしたって出てくると思います。

けれど、十分な土台なしに結果を出すことはできない。

材料を過不足なく揃え、環境を整えたうえで、技量を持っていること。

 

できていて当たり前の準備を整えることは、実は難しいと思いました。

そして、一時的な成功だけでなく事業として継続していける経営力も

大切なことだと思いました。

 

 

 

 

 

眼福(シャネル展 Ⅱ )

お茶をいただいて、お買い物コーナーを過ぎて

そろそろおしまいかと思った先に

服を作るためのアトリエのようなフロアが広がっていました。

 

 

糸の配色、さまざまなツイードが試作され、服の形になっていく過程を見ていきます。

ビジューの映像もあり、壮大な手仕事の世界が広がっていました。

ツイードを見るとなぜ、テンションが上がるのか。

綺麗だから、としか言えません。

 

刺繍で装飾された長いドレスが展示されていました。コートかもしれません。

黒地に黒いスパンコールやビーズが縫い留められているのですが、刺繍が素晴らしい。

絵柄だけではなく、裏の始末がとても綺麗です。

下の写真のように裏を開いて展示してありますが、丁寧さに圧倒されました。

そして縁のゴールドは、すべてビーズ!のように見えました。

手を惜しむという発想はないようです。

 

 

 

花で飾られたワンピース。絹地にシルクで刺された刺繍の立体感。

日常的ではないけれど、見ているだけで笑顔になるほどの綺麗さでした。

 

綺麗なものを見て心を洗う(シャネル展)

六本木ヒルズに行ってきました。

できた当初は何度か行きましたが、久しぶりです。

森アーツセンターギャラリーで「CHANEL  presents  "la Galerie du 19M Tokyo"」

を観てきました。

エレベーターで上がり、会場に入ると、

素材の作成過程がフロア一面に展示されています。

羽根、ボタン、糸、金工、金具でパンプスの木型に固定された皮革。刺繍など。

 

壁には製作過程やショーの風景が。

窓の外には六本木の街が広がり、ヒルズ族という言葉を思い出しました。

 

そこを通り抜けて織物の実演をしている部屋に入ります。

経糸は細いツイード緯糸はリボンやネップヤーンなど、何段かで変えています。

ここで組み立てられ、会期後は移動するためか織機は木で組まれたものでした。

 

先の部屋には唐紙の大きな衝立?が。

脚部分は版木でしょうか。もっとコントラストをつけることもできたと思いますが

薄い地色に派手ではない色と質感で、光が当たると模様が浮き出てきます。

壁には和紙(?)でできた花が。飛天のイメージでしょうか。

 

ビーズやリボンで飾り付けられたお茶碗も展示されていました。

 

畳の部屋が窓に沿って設置されていました。

変形の床に沿って畳が敷き詰められていて、のびのびとした空間でした。

障子の紙の代わりに薄手の生地が張られていて、そこにも

手仕事が施されていました。

 

進んでいくとお茶のコーナーがありました。

一口羊羹とお茶をいただきながら、映像を見ることができます。

 

京都で開催されていたら、工芸についての観客のつぶやきが

聞けたでしょうか。