初アフタヌーンティーは帝国ホテルでした。何年か前のことです。
ナイフとフォークを使う外食をほとんどしないし、
ホテルのレストランに行くこともなくごくごく地味な毎日。
アウェーであることを身をもって感じていたのですね。
ある日カルチャーセンターが主催するレッスンを見つけました。
小関由美先生が3回をかけて
イギリスの紅茶文化やティールームを紹介する講座でした。
確か初回にイギリスのティーバッグには糸がないとか、丸いのもあるとか
ジンジャー入りのお茶の味も教えていただきました。
2回目がアフタヌーンティーの講座で、その実践の場が帝国ホテルでした。
開場を待つ入り口は、かなり盛り上がっていました。
それぞれがドレスアップして集まりました。
わたしと同じテーブルには落ち着いた大人の方が多くはしゃいではいないのですが、
この日を心待ちにしていたと口々に仰っていました。
わたしが先生に尋ねたのは「マナーハウスってなんですか」。
ロッテンマイヤーさんみたいな方がお行儀を教えてくださるのかと思いました。
今はなんとなくわかりますが、いまだに行ったことがありません。
ほぼ初対面でなんとなく互いのことを話しながら
3段トレイに手を伸ばしました。達成感でいっぱいでした。
ティーカップの持ち手に気を取られていたことは言うまでもありません。
今も心に残っているのは
お父様の介護をされていた方のお話です。
ヘルパーさんをお願いして久しぶりの外出だと、
この日を本当に楽しみにしていたとおっしゃっていました。
そういう生活をされている方に
専門店によくある、予約は2人からというのは厳しい注文です。
急なキャンセルも覚悟の上で講座の申し込みをされているのです。
その方は3回コースの中でも出席はこの回だけでした。
3回目の講座はイギリスのティールームの紹介だったような気がします。
地名も店名もメニューも知らないことばかり。
その後本当に行くとは、当時の自分は思いもしませんでした。
次に考えたのは
ルート探しは続くのでした。